安心して食べることのできる牛を育てるためには、牛が安心できるエサと環境が必要不可欠であるといえます。
アローファームでは人と牛に優しい環境作りにこだわっています。
褐毛和牛とは
和牛といえば「黒毛和牛」ですが、実は和牛には4つの種類があると知っていましたか?
①「黒毛和種」 ②「褐毛和種」 ③「日本短角種」 ④「無角和種」 の4つです。
和牛の流通量は95%以上が「黒毛和種」であり、「褐毛和種」は1.2%ほどしかありませんが、昨今のお肉ブームにより、その認知も徐々に高まってきており、お肉が好きな方の間では密かに人気が出つつあります。
ところで、「褐毛」和牛、これはなんと読むでしょう。
正解は、「あかげ」和牛。
その名の通り、褐色の被毛に覆われています。
また、褐毛和牛には、熊本系と高知系とがあり、それぞれの成立経過や体格もやや異なります。
熊本一円で昔から褐毛の牛が飼われていたようですが、古くから輸入されていた朝鮮牛がこの地方で増殖したものと言われており、体質頑健でよく粗食に耐え、役用能力も高かったといわれています。アローファームで生産されている褐毛和牛は、この熊本由来の褐毛和牛です。
放牧へのこだわり
アローファームで育てられた草地和牛は、自由に歩いたり、ごろんと横になって休んだり、ときには牛同士でじゃれあったり。
毎日自由に遊びたい時に遊び、眠りたい時に眠る。
そんなストレスのない放牧のなかで過ごす草地和牛のお肉は臭みがなく、濃い旨味を有しています。
投薬・除角はしておりません
草地和牛は、通常の放牧に加えて育成期間に合わせた牛舎での育成も行っているため、病気になることがほとんどありません。
そのため、予防的な投薬等を一切行う必要がありません。また、牛にとってストレスのかかる除角も行っておりません。
飼料へのこだわり
当牧場では、単味飼料ではなく草科を圧縮した飼料を自社農場で育てています。
与える飼料は大きく4つ【稲ワラ・とうもろこし・大麦・ふすま】です。
稲ワラは地元の宇佐米を使用し、牛の健康状態・体格・血統・性格・性別・季節・天候など様々なことを考慮して日々細かい調整・配合をおこなっています。
その結果、褐毛和種本来のかたちといわれる、赤身が多く適度にサシのあるヘルシーなお肉となります。
牛舎へのこだわり
当牧場は【 換気・乾燥・消毒 】 に常に取り組んでいます。
一日二回(朝・昼)の床掃除の徹底、水洗いや敷料(モミガラ)の入れ替えも定期的におこないます。
徹底的な衛生管理をすることで、病気になる危険性が低くなり注射など抗生物質を投与する必要がありません。
牛たちのことを第一に考え、細かく目の行き届いた快適な環境つくりを常に心掛けて実行しています。
手入れへのこだわり
健康に育てるために大切なこととは何でしょう?
一つ目は、内臓系が病気もなく健康な状態を保つこと。
二つ目は、ストレスを与えない適度な運動をさせてあげること。
育成するなかで非常に手間のかかる作業ではありますが、手入れを惜しまない育成を心掛けています。
健康な内臓・適度な運動
内臓系を健康な状態に保つためには、子牛の時期に粗飼料をしっかりと食べさせて、そしゃく → 反芻(はんすう)を繰り返すことで丈夫な胃ができあがります。
胃が健康な状態であれば、飼料を多く食べることができるため丈夫な内臓・美味しい赤身を作ることが可能となるのです。
牛舎で育成をおこなっている牛たちも、1日1回の放牧時間を取り、山の起伏を活かした運動を定期的におこなっています。
牛舎においては自由に歩き回ったり寝転んだりできるだけの広いスペースを設けて肥育牛の育成をしております。
褐毛和牛のお肉の特徴
褐毛和牛のお肉は 脂肪交雑(サシ)が適度で、旨味が豊富な赤身が多いのが特徴です。
脂肪交雑の量の基準となる BMS(牛脂肪交雑基準)の平均は<黒毛和牛 5.7> に対して <褐毛和牛 3.2>と 明らかに異なります。
~気になる味の特徴~ 黒毛和牛よりも旨味成分が高い 褐毛和牛
旨味成分の元となるのはアミノ酸です。このアミノ酸を構成する[カルノシン],[グルタミン],[タウリン],[アラニン],[アンセリン],[グルタミン酸]および 熟成によって旨味成分に変わる [グリコーゲン] や [ペプチド] はいずれも褐毛和牛のほうが黒毛和牛よりも高いと言われています。
しかも旨味を損なう成分である 遊離脂肪酸 は 逆に低い数値と言われています。
褐毛和牛のほうが脂肪交雑が少ない分 赤身が多いため、旨味をより多く楽しめることになるのです。
(※遊離脂肪酸とは脂肪細胞に蓄えられた中性脂肪が分解されてできる脂肪のことです。)