その16【草地和牛 褐毛和種】の格付等級について

今月からの草地和牛物語は和牛の肉質・脂肪などをつくる育成法・技術について3回に渡ってご紹介いたします。
まず、皆さんも一度は耳にした事があると思われる 牛肉の【歩留り・肉質等級】についてご紹介いたします。

◆歩留り・・生体から内臓・血液・骨などを除いたお肉のことを枝肉(えだにく)と呼びます。
その枝肉から食用として使える部分肉(赤身)の割合が多いか少ないかで評価されます。
使える部分肉の割合が多いほど等級は高くなり、少なければ低くなります。
A評価 → 72%以上 標準より良いもの
B評価 → 69%以上72%未満 標準のもの
C評価 → 69%未満 標準より劣るもの

◆肉質等級・・脂肪交雑(サシ)、肉の光沢、肉の締り及びきめ、脂肪の光沢と質の4項目で決定します。
これらの4項目を総合的に判定して5段階評価で肉質等級が決まります。
5 → かなり良いもの     2 → 標準に準ずるもの
4 → やや良いもの     1 → 劣るもの
3 → 標準のもの

肉質等級においては、4項目をそれぞれ5段階で評価していきますが、一番評価の低い数字をつける事となっています。(脂肪交雑 評価5・肉の光沢 評価3の場合、肉質等級は 評価3となります)

歩留り肉質等級は、黒毛和種を基準に定められた制度です。
品種の違う褐毛和種には直接あてなまらない評価ではありますが、3月にご提供させて頂いた 草地和牛の格付等級は 【B-2】でした。

褐毛和種の特徴はサシの少ない赤身中心の品種となりますので、肉質等級において【2】という評価は本来の育成がしっかりとできているという結果となります。
また、脂肪の光沢と質の評価は最高評価の【5】となっておりご購入いただいたお客様からは「焼いたときの香りがよく・甘みがあって美味しい」とのご意見を多数いただきました。

アローファームで取り組んでいる、濃厚飼料を制限して粗飼料を無制限に与える育成法の結果となっています。
次回は、脂肪交雑(サシ)を入れる育成・技術法についてご紹介いたします。