その3 【草地和牛 褐毛和種】の飼料

今回は飼料についてご紹介いたします。(産まれてから約2ヶ月までの間に与える飼料)

まず子牛が産まれてすぐに口にする食事は母牛のお乳になります。初めて飲むお乳を【初乳】と呼び免疫力が全くない状態で産まれてくる子牛は、この初乳から母牛の免疫力を借りて外部からの様々な病原菌から体を守ります。
しかし、初乳の効果も約2ヶ月でなくなるため免疫力が下がり子牛が一番病気になりやすい時期となります。
そのため早い時期から自分で外敵から身を守るための体作りをしないといけません。

つまり、エサを食べるために必要な胃を発達させる必要があります。
そこで生後1週間目ぐらいに与える飼料が【スターター】です。

【スターター】の効果は、牛の発育にとって一番大事な第1胃を発達させる効果があります。
第1胃を発達させることによって、牧草を主体とした飼料に切り替えることができ体を大きくすることが可能となるのです。

しかし、【スターター】は母乳が大好きな子牛にとっては慣れない飼料なのでなかなか食べてもらえない状況があります。
そこで、当牧場では子牛の段階では放牧はおこなわず厩舎にて生産者の目の届く範囲で育成をおこなうことによって、日々子牛に触れてなつかせるようにしています。

このような取り組みの結果、【スターター】を違和感なくスムーズに食べさせることが可能となっています。
胃が発達した子牛は母乳から牧草へと飼料を切り替えてすくすくと成長していきます。

次回はスターター給餌後の飼料についてご紹介いたします。