その4 【草地和牛 褐毛和種】の飼料

今回は離乳後の飼料についてご紹介いたします(生後約3ヶ月後から与える飼料)
少しずつ胃が発達していく子牛を、さらに成長させるためには胃を大きくしなければいけません。

そのために必要な飼料は【 粗飼料(稲ワラなど) 】になります。牛はヤギ・シカなどと同じ反芻(はんすう)動物で反芻をすることにより私たち人間が食べても消化・吸収できない【粗飼料(稲ワラなど)】を分解し栄養素にかえて胃を大きくさせることができます。

大きくなった胃に配合飼料を与えることによって子牛はすくすくと大きく成長していきます。
(反芻とはいったん食べたものを再び口に戻し、唾液を混ぜてさらに噛んで飲み込むこと)
離乳の時期は子牛にとって大きく環境が変わりストレスを感じやすい繊細な時期です。

ストレスをためてしまうと母乳以外の飼料を食べなかったり病気になったりする危険性もでてきます。
子牛にとってよい環境を保つには日々子牛を見て・触れて・なつかせることが非常に大切となります。
飼料を変える時期も飼育日数で決めるのではなく、血統・体格・性格などを十分に把握したなかで少しずつ新しい飼料に慣れさせる技術が必要となります。

子牛のことを考えるとどのくらい飼料を食べたか、病気・怪我などはしていないかなど細かい管理が必要となります。
当牧場では離乳後は放牧ですが、朝・夕のご飯の時間には牛舎に入れて子牛がどのくらい飼料を食べたか、病気はしていないかなどを一頭ごとに把握して細心の注意をはらい育成をおこなっております。
その結果、子牛たちはストレスを感じることなく【稲ワラ】を食べて強く大きな胃を作りすくすくと成長していくのです。

次回の草地和牛物語は成牛(生後12ヶ月以降)の飼料についてご紹介いたします。