その6 【草地和牛 褐毛和種】の放牧

当牧場の【草地和牛 -褐毛和種- 】は放牧を中心に育成をおこなっています。
今回は【放牧】にスポットをあててご紹介いたします。

通常の放牧ですと自然のなかに牛を放ち牧草のみで育成をおこなうため生産者にとってあまり手間や時間がかからない育成となります。
当牧場では放牧が中心ですが、牛をただ放置するだけではなく育成期間にあわせて様々な放牧手法をおこなっています。

例えば、出産後の母牛と子牛(生後約三ヶ月)または肥育期間中の牛などは牛舎へ入れて生産者の目が行き届く範囲での育成をおこなっています。
免疫力が低い子牛にとって外敵が多い放牧地での生活は病気になりやすくなるリスクを伴います。
またどのくらい母乳を飲んだかなどを確認することも大事なため生後三ヶ月くらいまでは牛舎で育成をおこないその後は離乳をへて放牧地に放ち少しずつ慣れさせていきます。
また、肥育牛に関しては怪我が怖いためなかなか放牧は難しくなります。

しかし、当牧場は平地ではなく山を開墾した場所で育成をおこなっているため高低差があります。体重測定などでの引き運動や、牛舎を広めに設定しているので肥育牛たちにとって運動不足というストレスはかかりません。
飼料においては、肥育のことを考えると粗飼料だけではエネルギーが足りません。濃厚飼料を与えることによって肉量・肉質が良くなります。

濃厚飼料を与える量も日々の観察記録によって細かく管理をおこない複数の飼料を配合して量を調整していきます。
通常の放牧に加えて牛舎での育成もおこなっていますので、非常に手間と時間はかかりますが牛が病気にならずに強靭な成牛へと成長していくためには必要なことなのです。

次回は【放牧】のメリットについてご紹介いたします。